伝統の技、五感で守る

手作り石鹸職人 桶谷正廣さん

 手作り石鹸 延寿石鹸は桶谷正廣さんの手で作られております。

 その桶谷さんが産経新聞の「手わざに生きる」のシリーズで大きく紹介されました。産経新聞の記事の一部をここで紹介します。「延寿石鹸」はこういう所で、こういう人物によって作られているのです。 以下「  」内が新聞の記事です。

 「酒蔵の中を思わせるような仕事場には、お乳のような匂いが漂う。

 そりゃそうでしょう。国産の牛脂に熱を加えているんですからねえ。と、直径2mもある大釜(鹸化反応釜)に入れられた油脂を攪拌しながら、そう話す」

 製造所の桶谷石鹸株式会社は大阪市城東区の街中にあり、創業55年です。桶谷正廣さんは父親 桶谷義廣さんから事業を受け継ぎ2代目です。

 父親から「わしの技を盗め」といわれ、桶谷正廣さんは中学1年から石鹸作りの現場に出入りし、製造工程を見てきております。

 「この釜の中には、牛脂とヤシ油、それに水酸化ナトリウムと水を入れればいいだけなんです。と、いとも簡単に言ってのける。そこには創業55年の伝統を守ってきた自信がみなぎっている。」

 桶谷さんの五感でチェックは有名です。

 「釜焚きでは計器類は一切使わない。血の通った五感のほうが、はるかに信頼できるという。だから、釜の温度は指を入れて測る。また、石鹸の素地をなめてみる。水酸化ナトリウムの辛さが、じわーっと舌先に伝わってくる状態が最良だという」

 桶谷さんの奥さんのお話です。

 「昔は冬になると、ネズミがこの石鹸をかじったものです。牛脂に甘さがあって、脂肪酸がおいしいんだわ」

 桶谷さんの作る石鹸には、添加剤とか防腐剤、着色剤、香料など、余分のものが一切入っておりません。それだけに、見た目がやや悪く、香りも天産物の香りだけで芳香とはいいかねるでしょう。防腐剤も入っていないので、保管方法によっては石鹸に部分的な変色の起こる場合があります。ちょうど、生薬で虫の食わない生薬なんて怖いと、残留農薬を気にされる方がいますが、それと同じかもしれません。

 桶谷さんの趣味は一番が「石鹸作り」、二番目がヘラブナ釣りだそうです。桶谷さんは語ります。

 「釣り人には素早い竿さばきが要求される。釜焚きしているときも同じで、熱加減に対して、素早く的確な対応をしないと石鹸がだめになってしまう。その瞬発力をつけるために、釣りにゆく」

 産経新聞の記事は次の文章で締めくくっています。

 「手作り石鹸の職人がほとんどいなくなった今も、桶谷さんは頑固にその伝統を守る。

 その頑固さも、きっと父親の義廣さんから「盗んだ」ものに違いない」

 9月4日付け(大阪版)産経新聞の記事では「五感を頼りに、石鹸作りに励む桶谷正廣さん」の現場写真と、「桶谷さんの手作り石鹸。職人の業の結晶」として石鹸の製品写真とが大きく掲載されております。

 延寿石鹸は、まさに 桶谷正廣さんの手わざの結晶です。日本では数少ない手作り石鹸は芸術品です。どうぞ実際に手にとって、使って良さを確かめてください。

 メーカーは誇りをもって桶谷さんの「延寿石鹸」を、お奨めいたしますは。