漢方と牡蠣

ABOUT OYSTER

東洋医学の古典書にみるかきの効用

東洋医学ではかなり古くから、かきの殻が薬用として使われていました。約2000年前に編集された中国の薬物書には、次のような内容が記されています。「かきの殻は制酸、止汗の作用があり、胃酸過多症、寝汗、無精、精神不安の症状に用いる」。

また、約400年前に編まれた漢方の古典書には、「脾臓や胃の働きをよくする。寝汗を止め、のどの渇きを取り、二日酔い・悪酔いを防ぐ。神経系のイライラやストレスを解消し、婦人病にも有効。精力の回復にも効果を発揮する。肌を美しくし、きめ細やかにする」と紹介されています。

やはり中国の薬物辞典には、「消化器系・血液バランスを正常にする。女性のオリモノの多いのを解消する。太った体を引き締める」ことが指摘されています。

化学的な裏づけも続々と…

かきの薬効は、近年の研究によって化学的にも証明されはじめています。2000年も前に、すでにかきの薬効を熟知していた古人の知恵には、ただただ驚くばかりです。漢方ではかきを「ボレイ」と呼びます。現在でも、「さいこかりゅうこつぼれいとう柴胡加竜骨牡蠣湯」「けいし桂枝加竜骨牡蠣湯」といった漢方薬の形で、かきの殻を用いた処方が行われています。

かきを食べると頭が良くなる

近ごろ”魚を食べると頭が良くなる”ことが話題になっています。これは魚に含まれる「ドコサヘキサエン酸(DHA)」という脂肪酸が、脳細胞の活性化に有効作用するためです。このDHAはかきにもたくさん含まれています。本家のマグロやイワシには及ばないものの、貝類の中ではトップクラスの含有量です。

しかも、かきには脳細胞や神経系の働きを高めるグリコーゲン、タウリンといった成分も含まれています。また同じく魚に多く含まれる脂肪酸「エイコサペンタエン酸(EPA)」は、動脈硬化や血栓を予防し、成人病・慢性疾患の解消に効果的とされていますが、かきはEPAも多く含んでいます。